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2009年11月16日  [category:トピックス] この記事を印刷

ハイブリッドな百貨店!?

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09年11月14日(土)大丸心斎橋北館がオープン

つい3ヶ月前までは隣接で競合していた「そごう心斎橋本店」が「大丸心斎橋北館」として生まれ変わった。8月末に閉じたそごう心斎橋本店を大丸が買収。景気低迷のなか総額410億円を投じた北館は、単なる売り場面積の拡大というものではなく、今後百貨店業界で生き抜く為に、新しい百貨店を模索する為の「実験棟」として新モデルに挑戦する場としてオープンした。

このオープンに際して打ち出されたコンセプトは「ハイブリッドな百貨店」ハイブリッドという言葉は、最近では車などのイメージが強いが、その本来の意味を辞書で引くと"動植物の雑種・異質のものの混成物・電気信号を、相互の干渉なく結合または分離する装置"などが出てくる。果たしてハイブリッドな百貨店とは?どのような意味が込められているのか・・・

新聞やネットなどでの発表を読むと、北館オープンはJフロントの営業改革の集大成であるという。10年以上にわたる改革の総仕上げという位置づけだ。Jフロントの徹底した経営戦略を生かしていくことが、大丸心斎橋北館の使命である。

居抜き出店に伴う投資額を抑えるため、今も外壁にはそごうブランドマークが残る北館の最大のテーマが、少人数社員による低コスト運営、16フロア・約4万平方メートルの売場は約2000人が働くが、社員はわずか90人。精鋭90人で回す仕組みは「自社運営」「ショップ運営」に大別される売場の、売上高の99%を稼ぐのが「ショップ運営」の売場という従来の百貨店では考えられない大胆な経営戦略である。社員の配置はフロアを統括するマネジャーが12名、マネジャーを支える顧客対応スタッフと取引先に指導するサービス教育担当が各階におよそ1名ずつ、後は自主運営売場の販売員と配送や入出金など後方業務のスタッフが占める。取引先に運営を任せる北館では、百貨店としてのしきたりを、取引先スタッフに熟知してもらわないと得意客からのクレームにつながる恐れがある。こうした従来のノウハウを伝え、新しいスタイルを取込むのが、当面の課題となるようだ。少人数を支えるために、情報武装も進んでいる。9月に11の旗艦店に導入した売場解析システム「レインボー」。各ショップの売上高や客単価、損益分岐点売上比率など25項目のデーターをもとにフロア地図を色別に示す。日々の売上高もグラフでリアルタイムに分かる。不調なショップと原因をすぐに洗い出し、ショップ店長と改善に取組むという。

そして、今回の大丸心斎橋店北館の目玉は、地下1・2階を、従来であれば「デパ地下」として食料品売場を展開するのが相場であるところを、18歳〜25歳の女性をメインターゲットとした「うふふガールズ」としてヤングファッションフロアという大胆な売場構成である。東京都内のファッションビルなどで人気の27ブランドを集結させ、心斎橋に集う若い世代を百貨店に呼び込もうという仕掛けである。この試みは、SCや駅ビルの収益構造からヒントを得ており、取引先の賃料負担を軽減させたことで、若者に人気のブランドを集結させることができた。

ハイブリッドな百貨店とは、お客様へ打ち出されたカジュアル×プライス×エイジを見ると、従来の百貨店ファンの中高年のお客様も満足。新しい世代も満足お客様も満足・・・異質と思われていたものを混合させて共生していく百貨店という意味なのかもしれない。また戦略面から読み取ると、百貨店とSCの融合も暗示しているようにも思える。

ただSCのようにシステマチックになりすぎたり、サービスがあまりに簡素化されるのも百貨店ファンにとっては寂しいものである。ぜひ百貨店が本来もつ「特別感」「楽しさ」「ワクワクする空間」など百貨店ならではの潜在的な要素も大切にして欲しいと願う。大丸心斎橋北館のこのチャレンジは、老舗×革新の経営戦略として、この未曾有の不況を乗り切るヒントを得ようと業界内外でも注目されている。

投稿者 kitamura : 2009年11月16日 11:18

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